★ 星座神話 ★

【やぎ座】

 ある日、神々がナイル川のほとりで酒宴を開いていたときの事です。酒宴に招かれたバーンは、葦で作った笛を吹いて、みんなを楽しませていました。
 バーンとは、上半身は毛深い人間の姿をし、下半身は山羊の姿という変わった姿 をした半人半獣のことです。
 さて、その酒宴もたけなわになろうとしたとき、おいしそうな酒の臭いにひき よせられて、半人半蛇のテュフォンが乱入してきました。 テュフォンは、恐ろしく背が高く、100個の首を持ち、口からは火も噴いて、 極めて凶暴な悪名高い怪物です。
 驚いた神々は、思い思いのものに姿を変え逃げ回りました。 そしてバーンも、魚の姿に化けて、ナイル川に飛び込みました。しかし、かなり 慌てていたのでしょう。中途半端な変身の仕方をしてしまい、水に浸かった部分 は確かに魚になったのですが、水面より上は山羊の姿になってしまいました。
 結局、神々もバーンもテュフォンから逃げる事に成功しましたが、それを天上 から見ていた大神ゼウスは「バーンの姿は傑作だ!」と大笑いし、記念に星座に したと伝えられています。