月の誕生(たんじょう)?

 月の誕生には四つの説(せつ)があります。地球といっしょにできたとする「親子説」、地球の一部が飛び出してできたとする「兄弟説」、遠い宇宙から飛んできて地球の重力にとらえられたとする「他人説」、さらに今もっとも有力視(ゆうりょくし)されている説が「ジャイアント・インパクト説」で生まれたばかりの地球に大きな星が衝突(しょうとつ)し飛びちったかけらが集まって月ができたとする説です。

月の内部(ないぶ)のようす?

 月の内部は、地球の場合と同じ方法で調べることができます。そのうちもっともよい方法は、月の地震波:じしんは(月の地震を月震:げっしんといいます)の伝わり方をしらべる方法です。そこで、アポロ計画では月に月震計(げっしんけい)がおかれ、月震の観測が行われました。これらの月震データから、月内部には、地球ほど明らかではないけれども、いくつかの層(そう)があることがわかりました。
 表層から深さ60kmまでのそうが、月の地殻(ちかく)です。ただし、60kmという地殻の厚さは、月震計の置かれた場所の厚さを表すものであって、これが月の地殻の厚さの平均(へいきん)を表すものではありません。じっさい、その他の観測(かんそく)から、地殻の厚さが場所によって変化(へんか)していることが推定(すいてい)されています。とくに、月の裏側(うらがわ)では地殻の厚さが100km以上もあると考えられています。
 深さ60〜300kmのそうは、月の上部マントルといわれ、地球の上部マントルににていると考えられています。
 深さ300〜800kmのそうは、月の中部マントルといわれ、月をつくったはじめの物であると考えれています。
 深さ800km以上の深さのところはよくわかっていません。深さ1300〜1500kmよりあさいそうは、月の下部マントルで部分的にせよどろどろにとけていると考えられています。それより深い層(すなわち中心から半けい400〜200km)は、核(かく)があると考えられています。
 月の核の大きさの情報(じょうほう)は、月がどうやってできたかに深い関係(かんけい)があります。
 日本の月探査計画(つきたんさけいかく)であるLUNAR−A計画では、月にぺネトレーターという月震計などをのせたヤリ型の装置(そうち)を月面に打ち込み、月震の観測を計画しています。

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