人間の住める星が地球以外にあるのですか

 太陽系の中には、そのままで人間の住める星は一つもありません。なぜなら、温度・空気や水の存在など、どの環境も人間にとって過酷だからです。でも、火星の地下には氷としてには水が存在しているといわれ、(地球の100分の1以下ですが)うすい大気や季節の変化もあります。
 「そう遠くない将来、人類はこの地球に住み続けることができなくなる!?。」という人もいます。地球温暖化などでそんな危機感が高まる今、科学者たちは他の星に移り住むための取り組みを本格的に始めています。
移住の候補にあげられているのはもちろん火星。
 他のわく星を地球のように改造していく取り組み――「テラフォーミング」によって、火星に大気や海をよみがえらせ、人類が宇宙服をぬいで、ふつうにくらせるような環境を作り上げようというのです。
 不毛の赤い星・火星は、テラフォーミング開始から百年から数百年で、地球と同じような水の惑星、青い星に変わっていくと考えられています。しかしこのころになっても、火星の大気は二酸化炭素が中心。――人間は酸素マスクをつけなくては生きてはいけません。
 どうしたら酸素を作れるのか。酸素を作る木々はどうしたら育てられるのか。テラフォーミングを進めることは、地球の複雑さを読み解くことでもあります。火星をテラフォーミングすることで、逆に地球の機能がよくわかり、これによって地球をうまくコントロールできるようになるかもしれない、とも考えられています。
 そしてさらに、地球の三分の一の重力の火星に移り住むことは、人類の身体にどのような影響をあたえるのか。それはかつて、人類が二足歩行を始めたときと同じように、人類にとって新たな進化の始まりになるかもしれません。
 地球人類から宇宙人類への進化。
 その第一歩を、私たちはすでにふみ出しています。
 西暦3000年には、人類はもうひとつの地球となった火星で、新たな文明を築いているかもしれませんね。

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