★ 星座神話 ★

【いて座】

 乱暴で野蛮な半人半馬のケンタウルス族の中にもフォーロー(ケンタウルス座)や、ケイローン(いて座)など良識があり善良で、人々と仲良く暮らす人たちも いました。
 ケイローンはアポロンやアルテミスから、音楽、医学、狩猟など多くを学び、 その後、ギリシャの英雄たちを次々と教育し、勇士ヘルクレス(ヘルクレス座) やカストル(ふたご座)には武術を、医神アスクレピオス(蛇つかい座)には医術を教えました。
 そんなケイローンに、ある日不幸が訪れました。 ヘルクレスに追われたケンタウルス族の仲間たちが次々とケイローンの元に逃げ込んできました。その時、ヘルクレスの放ったヒドラ(うみへび座)の血を塗った毒矢が、仲間 の腕を貫通し、ケイローンの膝に刺さってしまったのです。ヒドラの血に触れたものはたちまち息絶えてしまいます。 しかし、不死身に生まれたケイローンは死ねません。苦しみもがき、痛みに耐え かねて、大神ゼウスに不死の身をプロメテウスに譲りたいと請い、ようやく死ぬことが出来ました。
 ゼウスはそんなケイローンの死を惜しみ、星座に掲げたと言われています。