★ 星座神話 ★
【ふたご座】
カストルとポルックスは、スパルタ王ティンダリオスの妃レダと大神ゼウスとの子とされています。レダはすでにティンダリオスの子も宿していたので、生まれたのは四人でした、ゼウスの子として不死の生命を授けられたのは、弟ボルックスとトロイ戦争の原因になった美女ヘレナ、そして兄カストルとトロイ戦争の総大将アガメンノンの妻になったクリタイムネストラは死すべき人間の子とされました。やがてボルックスとカストルは成長し、カストルは拳闘の名手、ポルックスは乗馬の名手となり
アルゴ船の冒険など、多くの冒険談で、その名を世界にとどろかせました。ある時二人は従兄弟のイーダスとリュンケウスと一緒にアルカディアに牛の群れを取りに行きました。
ところが、ずるい従兄弟たちは言葉巧みにカストルとポルックスの取り分まで横取り
してしまったのです。それを奪い返すために、先回りして待ち伏せしていた二人は、不覚にもリュンケウスに
見つかってしまいました。彼の放つ弓矢の不意打ちで、人間の血を引くカストルは殺されてしまいました
あとに残った不死身のポルックスは、仲の良かった兄が死んでしまったことを
ひどく悲しみました。しかし、神の血を引くポルックスは、死ぬことが出来ません。
大神ゼウスに「自分も死んで、カストルと一緒にいたい」と懇願しました。
そこでゼウスは、ポルックスを、神々の暮すオリンポスの世界と、カストルの
いる冥界とを、一日ごとに行き来できるようにし、隔日に兄弟が一緒に暮らせる
ようにしました。 そして、ふたごの姿を兄弟愛のシンボルとして星座に上げたと伝えられています。
ちなみに、アルゴ船の冒険では、嵐のため舟が遭難しそうになった時、カストルとボルックスの頭上に二つの星が輝きました。この伝説から地中海の船乗りは、航海の守護神として大切にしています。